2021年10月26日
ベトナム戦争と海軍スペツナズ

年代不明ですがソビエト海軍のコンバットスイマー(ПДСС)でしょうか。
さて、ベトナムに派遣されたソビエト特殊任務部隊の話の続き。
ジャングルや河川における豊富なゲリラ戦経験や専用の訓練施設を有していたのにも関わらず、残念ながらベトナム人民軍には潜水技術や水中破壊工作を統合的に訓練された人材はいませんでした。
そこで、ソビエト海軍太平洋艦隊や、予備役から経験豊富な専門家がベトナムに派遣され、ベトナム人民軍兵士の練度を高めるべく訓練を行いました。
※具体的な派遣時期は調べきれていません。1961年以降ではあります。
~アメリカ海軍護衛空母USSカード撃沈~

ボーグ級護衛空母USSカード(CVE-11)
1964年5月2日午前3時、サイゴン港湾施設に係留されていたアメリカ海軍空母USSカードは、ラム・ソン・ナオ率いる解放戦線第65特殊作戦分遣隊により、周到に仕掛けられた爆薬で大破着底させられた。

被害を受けたUSSカード。作戦に使用されたのは80kgのTNTと4㎏のC4爆薬。港湾作業に従事するベトナム人達がいない時間帯を選択して実行したとも語られています。
ソビエト海軍顧問団による指導の賜物、とは一概には言えませんが何らかの影響はあったんでしょうか。
さて、長期に渡りアメリカ軍と戦闘を続けたベトナムは、世界でも類い稀な戦闘知識を得ました。
~ベトナム戦争終結後~
ソビエト特殊任務部隊ヴィンぺルの創設者となる、ユーリー・ドロズドフ少将はベトナムに派遣され、ベトナム人と共に更なる戦技を磨くことになります。
「ハノイ近郊で我々はベトナム特殊部隊(ダッコン)からジャングル内での戦闘や無音浸透技術、アメリカの武器についてを学んだ。我々は最新装備による都市部での活用方法を共有した。彼らから学ぶべきことは非常に多かった。」
地上戦闘や空中戦にスポットが当たるベトナム戦争ですが、水中での闘いに関しても、実は興味深いですね。
参照:Группа советских военных специалистов во Вьетнаме
https://baodansinh.vn/ky-uc-hao-hung-cua-nguoi-chien-si-biet-dong-sai-gon--gia-dinh-7110.htm
2021年10月26日
ベトナム戦争とドラグノフ狙撃ライフル

有名な写真。しかし、後方の戦車から見ても、いわゆるベトナム戦争時ではないのでは…?画角も良いので演習中ではないでしょうか。

「トゥイフォア(ベトナム南中部の都市)解放の為に闘った兵士の狙撃銃」と画像解説されています。
とても実戦で使用していたとは思えないほど綺麗…

こちらは現在のベトナム軍事博物館にて所蔵されている「ベトナム戦争時での狙撃銃」とか。
中央のライフルはM1917エンフィールド?フランス軍が残置した個体なんでしょうか。
果たして、ソビエトは当時の北ベトナムにドラグノフを供与したんでしょうか…
先のブログ記事でも紹介しましたが、「最新鋭狙撃銃を持って戦闘参加したソビエト特殊部隊」の存在は明確に否定されています。
では、何でこんな話が出てきたんだろ、と思って検索してみました。
「アメリカ軍が発行した鹵獲品リストに記載されている」とか。
その書類を見てみましたが
「トカレフ SVT-40」ときちんと書いてありました…
うーん、アメリカの人でも英語は読めないのかしら。
ベトナム戦争中、ソビエト領内で北ベトナム軍人は様々な軍事訓練を受けています。ひょっとしたらドラグノフも寄贈されたのかもしれません。
しかし、実戦配備するほどではなかったでしょうね。
そんなわけで、「ベトナム戦争をイメージしたエアソフトゲームイベント」でドラグノフ狙撃ライフルを持ち込むと、
三毛猫の雄ぐらいの希少な生き物として扱われるんじゃないでしょうか…
まあ、ほとんどのイベントでは使用禁止になっているようですが。
参照:https://m.kienthuc.net.vn/quan-su-viet-nam/dragunov-svd-sat-thu-ban-tia-dang-so-cua-viet-nam-666196.html#p-1